インクジェット受容層とは?

はじめに

インクジェット印刷は従来の印刷と違い、印刷版の不要・低コスト・省エネ・排水・廃液が少ないというメリットや、季節限定製品や記念物といった販促グッズ向けなどの小ロット生産などの増加に伴い、現在では種々の用途に広がりを見せております。


今後も印刷速度の向上や、画質の向上などの技術発展に伴い、既存の印刷方式からの置換えも予想されます。
当社高松油脂ではいち早くこの分野へ着目し、20年以上前より本来インクジェット印刷が出来ない素材に対しても印刷を可能にする“インクジェット受容層”の製造・販売を行っております。


これからインクジェット受容層をご検討頂く皆様には、ご用途に合わせて是非本ホームページに記載のグレード表をご参照下さい。


インクジェット印刷用途例

OA用途

提案資料 / 販促物 / 名刺 / パーソナルカレンダー等


産業用途

店頭POP / CD,DVD印刷 / 電飾看板 / ラベル印刷 / OHP フィルム回路印刷等


ファイバー用途

昇り旗 / 冠婚葬祭関係の印刷 / 記念品Tシャツ印刷等




インクジェット印刷インクのあれこれ

インクジェット印刷には大きく分けて水性、溶剤、UVの3種類のインクが使用されております。 溶媒として主に水を用いているものを水性インク、有機溶媒を用いているものを溶剤インク、紫外線(UV) で硬化するインクをUVインクといいます。水性インクと溶剤インクは、メディア上に描画した後、熱と風を与えて溶媒を蒸発させ、残った樹脂と顔料が可視像となってメディアに固着します。一方UVインクは描画後、UV(紫外線)を照射しますと、モノマーが樹脂化してメディアに固着した可視像となります。

野外サイン等、耐候性が求められる用途には溶剤インク、屋内サイン・POP・ポスター等、画像の精細さを求められる用途には水性インク、耐久性や特殊な印刷対象物への印刷が求められる用途にはUVインクなどが使われるケースが御座います。


インクジェット受容層の必要性について

インクジェット印刷には使用するインクにもよりますが、高精細な画像を得るにはインクをキャッチし滲みを防止する"インクジェット受容層"というコーティング層が必要になります。多量の水を溶媒とする水性インクでは水を吸収・膨潤し、キャッチしたインクを定着させる層、溶剤を溶媒とする溶剤インクには有機溶媒に侵され定着させる層が無ければ綺麗な画質を得る事は出来ません。溶剤インクには有機溶剤に侵される塩ビ系のメディアが野外サイン用途に多く使用されておりますが、そうした基材以外の紙やフィルムなどに印刷を行なうにはインクジェット受容層が必要になります。


受容層未加工紙

受容層未加工紙に水性IJインク印刷
インク滲みが見られます。

受容層加工紙

高松油脂製受容層を紙に加工し水性IJ印刷
滲みが見られません。



インクジェット受容層の種類

インクジェット受容層は大きく分けて形成皮膜が透明なタイプ(膨潤タイプと呼ばれます)、形成皮膜が白くなるタイプ(マットタイプと呼ばれます)に分けられます。下地となる素材の色味を生かしたい場合は膨潤タイプ、耐水性や隠蔽性を必要とする場合はマットタイプが選ばれる傾向にあります。
当社品透明タイプはその光沢感、マットタイプはその白度の高さにもご好評を頂いております。


グロスタイプ

透明なポリエステルフィルムに当社受容層を加工
(グロスタイプ)

マットタイプ

透明なポリエステルフィルムに当社受容層を加工
(マットタイプ)



膨潤タイプのメカニズム

インクの溶媒を吸いやすい樹脂で構成されており、インクの水分が受容層に染み込む仕組みです。膨潤タイプの受容層は水に馴染みの良い樹脂を使用する事から耐水性の欠点が御座います。
コスト重視でインク吸収性(印字性)そこそこ、耐水性はNGと割り切った受容層の設計や、高いインク吸収性と耐水性を両立する受容層の設計など、こうしたコンセプトの違いで各社が提供する受容層に違いが出てきます。


膨潤タイプのメカニズム

マットタイプのメカニズム

空隙タイプとも呼ばれ、受容層はスポンジのような構造になっています。受容層に含まれる微粒子の空洞にインクが染み込むような仕組みのため、インクは受容層表面には出ず受容層内部に浸透しています。そのため印字面の耐水性、及び擦過性に優れています。コート皮膜はマット感があり、印字面の高耐水性に加え、インク速乾性に優れ、特に顔料インクでは高画質な画像の表現が可能です。昨今のプリンターの印刷速度の向上につれ、インク速乾性が求められるケースが増える中でこうしたマットタイプの受容層へのニーズは増加傾向にあります。


マットタイプのメカニズム

参考情報(Q&A)

どの様にIJ受容層を加工すれば良いのでしょうか?
一般的にはコーター機と呼ばれる専用の機械を使用し、各グレードの推奨膜厚を塗布→100~110℃で水分を飛ばす乾燥を行います。

自社で加工する設備が無いのですが
ある程度まとまった数量での加工をご検討されている場合、コンバーターと呼ばれる加工業者様にご依頼される事を推奨いたします。ご使用予定の基材、ご使用予定のm² 数などの情報が御座いましたら、弊社も協力し加工先を探すことは可能です。

どの様な素材に対して密着性がありますか?
紙、コロナ処理済のPETフィルム、PET繊維に対しては密着性が御座います。それ以外の素材で密着性が出ない場合は、プライマーと呼ばれる下地処理が必要になります。ご相談に応じますのでお問合せをお願い致します。

水性インク、溶剤インク用以外の受容層はありますか?
弊社のこれまでの知見からご提案させて頂ける製品があるか検討致します。お気軽にお問合せをお待ちしております。

最低購入単位について
石油缶(17~18Kg入目)× 1缶からご購入が可能です。


ピックアップ製品

募集要項

環境方針

ポリエステル樹脂 弊社独自の分子設計を行い、各種の試作品の提供を行っています。

フィルム用帯電防止剤 透明性の高い皮膜を形成し、薄膜でも安定した帯電防止性を発揮します。

インクジェット受容層用樹脂 水性インク用、溶剤インク用と幅広い受容層をラインナップしております。

インクジェット受容層とは?

機能剤 弊社の知見を基に、お客様からのご要望にマッチした製品開発を行っています。

テキスタイル製品 精練剤から最終仕上剤・機能加工剤まで幅広く取り扱っております。

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